生け花のお稽古をなさっている(なさっていた)方ならご存じかもしれませんね。
ヒオウギの実。
残念ながらねこじゃらしにはヒオウギの花の写真がないので
こちらで見せていただいてくださいませ。(汗)
葉っぱが扇型に広がって互生する姿が、公家の持つ「檜扇」に似ていることからヒオウギの名が付いたのだとか。
それが結実してはじけると、こんな具合になるんですねー。
黒い丸い種が可愛いじゃないですか。
この状態で切花として花市場に出荷されてくるんです。
ええ、生け花の素材だったんでしょうね、以前は。
この直径5mmほどの漆黒の種子は射干玉(ぬばたま)、または烏羽玉(うばたま)と呼ばれるのだそうです。
なんかどこかで聞いた事あるような単語じゃありません?
その昔、国語とか古典の時間にでてきましたよねえ・・・
「ぬばたまの」「うばたまの」「むばたまの」は黒・夜・暗き・夢などに掛かる枕詞。
そう、和歌の枕詞の元ってわけ。
いやー、ねこじゃらし、これがその「ぬばたま」とは全然知りませんでしたわぁ。
ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く 山部赤人
なーんてふうに使うわけですね。
そのくせ、枕詞として「ぬばたま」がいろいろ使われている万葉集にはヒオウギの花を唄った歌はひとつもないのだとか・・・人間の着眼点って不思議というかおもしろいですね。